セラピストが予防領域で活躍するために理解すべき『UX』とは?

バックテックの坪井(@yamatoyamamato)です。
近年、予防医療などのヘルスケア領域への関心が高まってきており、医療職が保険外の分野で活躍する機会も多いと思います。

私は理学療法士ですが、理学療法の業界においては、新たな職域として予防理学療法が注目されています。しかし、まだまだ予防に関わる人も少なく、社会にその必要性も十分に示しきれていない状況かと思います。

私自身、バックテックに関わり始めてから、予防の難しさは、ひしひしと感じていますが、難しいが故にやりがいも半端ないです!笑

そこで今回は、私が少ないながらも予防に関わってきた経験の中で、セラピストが予防の分野で活躍するために最も重要だと感じた『UX(ユーザーエクスペリエンス)』について記事を執筆しようと思います。

1. そもそもUXとは(定義だけ)

UXとは、User Experienceの略です。
日本語では、ユーザー体験とも言います。

UXとは、その名の通り、「ユーザーが製品やサービスを通じて獲得する体験」をさします。

かつて、モノが少なかった時代は、顧客はモノを求めていました。
しかし、現在はモノで溢れた時代で、顧客の目も肥えてきています。
そこで現代の顧客は、モノではなく、コト(体験)を重視するようになってきました。何と贅沢な話でしょうか。

UXにこだわっていることで有名なのは、かのスターバックスでしょうか。
スターバックスの元CEO ハワード・シュルツは、「スターバックスは、コーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ。」と言っています(注:原文見つからず、ニュアンスで表現しております)。

2. なぜセラピストがUXを理解する必要があるのか

何となくUXを理解したところで(できましたよね?笑)、なぜセラピストがUXを理解しておく必要があるのかについて、話していきたいと思います。

その理由は、医療機関と予防の分野では、あるシフトが起きるからです。
それは「医療職と患者(ユーザー)のパワーバランスのシフト」です。

下記は、バックテックCEO福谷の記事にある、医療職と患者(ユーザー)のパワーバランスのシフトに関する説明の抜粋です。

これまでは、両者のパワーバランスは、医療職側に偏っていましたが、患者側に移行してきているということです。
例えば、臨床をしていると白衣をきているからか、患者さんは非常によく信頼してくれ、セラピストがオススメしたリハビリや運動、自主トレなどをしてくれていました。
ただ、現在は、様々な専門的な情報もネットである程度、検索できるようになってきていていることから、患者が医師から処方された薬の副作用をネットで検索して、人によっては副作用がもっと少ないやつにして欲しいなどと患者側が意思表示する割合が急増しているということを、とあるコンサルティングファームが報告しています。つまり、最終的に何をするかは医療職が決めるのではなく、患者、つまり、ユーザーも意思決定に参加するという時代に入ってきています。特に産業や予防の分野では、その傾向が一層強くなります。手術のようなものはもちろん医師の助言を信じるしかないですが、予防というフィールドにおいては、特にユーザー側にパワーバランスがシフトしています。

これは弊社の提供する肩こり・腰痛対策アプリ”ポケットセラピスト®︎”で、セラピストとしてユーザーの肩こり・腰痛対策のサポートをしている時にも、ひしひしと感じます。

ユーザーにとって、ポケットセラピストは、整骨院、マッサージ、痛み止め、コルセットなどの数ある肩こり・腰痛対策のサービスの一つに過ぎません。そのため、ポケットセラピストを使ってユーザーが価値を感じなかったら、そのユーザーはすぐにポケットセラピストを使わなくなります(何と厳しい世界でしょうか、でもこれが保険外の宿命です)。

予防の領域では、ユーザーの意思決定のパワーが明らかに強いのです。
そのため、自分たちが対象とするべきユーザーが熱狂的に使いたくなるようなサービスを提供して、ポケットセラピストがない世界は考えられないというレベルにまで持っていく必要があるのです(最近はこう言ったユーザーの声を多く聞くようになってきてます😊)。そのためには、UXを徹底的に理解し、日々改善していく必要があるのです。

これはポケットセラピストに限らず、市場原理が働く世界では全てに共通します。

3. UXをもう少し詳しく説明

さてさて、前置きが長くなりましたが、いよいよ本題です。

UXを理解するべき理由は分かったところで(分かりましたよね?笑)、UXについてもう少し掘り下げていきましょう。

もう一度、UXの定義をおさらいすると、UXとは「ユーザーが製品やサービスを通じて獲得する体験」を言います。

UXには3つのUXがあると言われています。

① 利用前UX
② 利用中UX
③ 利用後UX

直感的にUXと聞いて、思い浮かぶのは製品やサービスを使っている時を思い浮かべますよね?しかし、実はUXは、製品やサービスを「使った時」だけでなく、「知ってから使うまで」から「使い終わった後」を通してのユーザーの体験すべてをさすのです。

これら3つのUXは瞬間的なUXなのですが、それらすべてを通じて得られるUXを「累積的UX」と言います。これは製品やサービスに対する体験や感情をさします。

抽象的な話ばかりなので、ぎっくり腰後の整形外科受診を例にUXを説明しようと思います。

① 利用前UX(受診前)
都内在住のサラリーマンのAさんは、長時間労働が続いた疲労のせいか、ぎっくり腰を発症した。ネットで近くの整形外科を検索したら、X病院が距離的にも通いやすそうで、ちゃんとしてそうなので、受診を決める。到着したら、建物の外観がキレイで良さそう。

② 利用中UX(受診中)
保険証を出すと、医師の診察まで1時間以上の待ち時間があるとのこと。

院内には、無料の水や、テレビ、漫画もある。また、都内のオフィス街にあり、サラリーマンも多いからか、ビジネス雑誌やフリーWi-Fiもある。ポケベルもあるため、外出もOKとのこと。仕事で忙しいAさんは、時間を有効活用するため、院内でフリーWi-Fiを使って、PC作業をしながら、待っていたら、あっという間に診察に呼ばれた。

担当の医師はとても優しく、忙しいにも関わらず、Aさんの話を遮ることなく、最後まで聞き取ってから、問診や触診などの診察をしてくれた。病態や治療方針に関して丁寧に説明してくれて、安心して良い腰痛であると言ってくれて、安心した。

その後、理学療法士のリハビリを受けることに。担当セラピストも、医師と同様に傾聴をしてくれて、今後の腰痛治療の方針を丁寧に説明してくれた。運動が嫌いなことを考慮して、しんどいリハビリではなく、無理なく続けやすいようにと、職場で簡単に実施できるストレッチを教えてくれた。Aさんは、自分のライフスタイルまで考慮してくれたことが嬉しかったし、これならできそうと思えた。

③ 利用後UX(受診後)
Aさんは、帰り道にこう思った。待ち時間が長いのは、これだけ素晴らしいスタッフが揃って、待ち時間も苦にならないように様々な配慮をしてくれているからなのかと。2回目以降のリハビリはネット予約で時間指定もできるので、待ち時間は無くなるのとことだし、良かった。

(翌日の職場で)腰の痛みが辛くなってきた時に、セラピストが指導してくれたストレッチを試す。腰が楽になるのを感じた。ちょうどぎっくり腰になった同僚がいたので、口コミで勧めた。

こんな整形外科、素敵じゃないですか?笑

4. UXを設計しよう!

先ほどの整形外科のAさんのようなUXを体験してもらうためには、緻密なUXの設計が肝となります。今回の整形外科の場合は、経営者の院長がUXにこだわって設計したのでしょう。

しかし、セラピストが予防の分野で活躍するためには、院長のように自分でUXを設計しなければなりません。

それではどのようにUXを設計したら良いのでしょうか。

私はUXデザイナーの専門ではありませんので、実際の方法は、プロフェッショナルのデザイナーに譲りますが、特にセラピストが理解しておくべきことにポイントを絞ってお伝えしたいと思います(注:UXの設計に関して、網羅的な内容ではありません)。

①  ペルソナを設定する
誰からも愛される製品やサービスというのはありません。逆に、実は誰からも愛されようとすると、誰にも愛されなくなってしまうのです。そこでペルソナを設定することが大切となります。ペルソナとは、「製品やサービスのターゲットとなる架空のユーザー像のこと」です。ペルソナをできる限り具体的に設定することで、自分たちのサービスをどうすべきかなどの方向にブレが生じにくくなります。

実はこの記事もペルソナを設定しています(これはかなりざっくりな方で、本来は顔写真や趣味などまで決めます)。

・30歳男性、独身、理学療法士8年目
・都内の整形外科勤務
・外来で見ている患者の多くはサラリーマンで、肩こりや腰痛で悩むサラリーマンを数多く治療してきたが、もっと早い段階から関われたら良いのにと感じ、漠然と予防領域に関わりたいと考えている。

このように自分たちのサービスを届けるべきターゲットが具体的になると、どんな内容ならユーザーが価値を感じてもらえるだろうなどと、一歩踏み込んで考えやすくなります。

これはあくまで想定して作ったペルソナなので、実際はユーザー調査などをして、ペルソナ像をどんどんアップデートしていきます。

② ユーザー調査
ペルソナを設定したら、それに当てはまるユーザーを実際に調査をします。調査の方法は、インタビューやアンケート、エスノグラフィー調査など、様々ありますが、今回は割愛します。ユーザー調査は、色々な意味でとても重要な意味を持ちます。

・インサイトを発見できる
顕在化されたニーズを把握することはできますが、もっと大切なのは、ユーザー自身も気付いていない潜在的な欲求(インサイト)を把握できることです。

有名な例では、ドリルを買う人は、ドリルが欲しいのではなく、本当は「穴」が欲しいだけなのです。あくまでドリルは穴を得るための手段に過ぎません。

しかし人間はそれを言語化できないのです。そのため、言語化されていないインサイトを掴む必要があるのです。

ニーズはすでに解決手段があることが多いですが、インサイトにはビジネスチャンスが潜んでいることが多いです。インサイトを発見したら喜びましょう笑。

・思い込みを解消できる
自分たちが価値があると考えていたものや、想定していた仮説が、作り手側の思い込みに過ぎず、ユーザーは価値を感じないというのは良くあることです。

これは我々セラピストは特に注意が必要かもしれません。「予防分野には理学療法士が必要だ!」というのは供給側の一方的な考えに過ぎません。本当にユーザーが理学療法士を必要としているのでしょうか。ユーザーは自分が抱える課題が解決されさえすれば、理学療法である必要はないのです。

今こそプロダクトアウトの考えから脱却して、マーケットインの考えに基づき、徹底したユーザー目線でサービスを提供していく必要があると思います。

③ カスタマージャーニーマップ(あるいはエクスペリエンスマップ)
カスタマージャーニーマップや、エクスペリエンスマップという図を使うことで、UXの流れ(シナリオ)を図式化することができます。

カスタマージャーニーマップはペルソナに合わせて具体的なシナリオを描くことが多いですが、一方のエクスペリエンスマップは、より一般化されたシナリオを描くようなイメージです。

下記はスターバックスのエクスペリエンスマップです(小さいですねw)。

ちゃんと見たい方はズームしてください。

このマップをもとに、その後のサービスを実装していきます。

少し専門的な話になってしまいましたが、結局のところ、自分たいがターゲットとしているユーザーに愛されるサービスを提供するために共通することは、徹底して「ユーザー目線」「ユーザードリブン」で考えることだと思います(なお、これはユーザーの言うことを何でもかんでも聞くということではないので、注意が必要です)

5. UXを学ぶならポケットセラピスト!

いかがでしたでしょうか。

セラピストが予防分野で活躍する上では、UXを理解することが重要であること、そのUXとは何たるものか、ということについて、説明してきました。

しかし、UXの記事を書いておいて何ですが、この記事を読んでもUXを理解はできません!!笑
なぜならユーザーに触れていないからです。

ではどうすれば良いか。
まずは、普段から自分の患者さんを観察したり、話を聞く中で、思考を巡らせながら、インサイトを見つけるなどをしてみると良いかもしれません。

あとは何と言っても、我々と一緒にポケットセラピストのサービスを成長させていく中で、UXへの理解を深めることができると思います!学んでいただける自信があります笑。

・予防分野で活躍したい方
・お金を稼ぎながら、UXをもっと深く学びたい方
・肩こり・腰痛を遠隔でサポートしてみたい方

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最後まで読んでいただきありがとうございました!



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